バンドが1ヶ月に1曲以上”作曲するべき理由”

バンドが1ヶ月に1曲以上”作曲するべき理由”

バンド(作曲者)は自分たちが作る曲を全部名曲だと思っている。当然それがベストだし、どれが捨て曲なんて考え方はあまり好ましくない。

しかし、捨て曲だと思いながらの演奏は悪でも、本当に捨ててしまったなら、それは悪ではないはずだ。

そこで僕は「オリジナルバンドは作詞・作曲しまくるべき」だと提案する。

また、今回の指す「作曲」は基本的に、バンドで隅から隅までしっかりアレンジまでして完成させた曲に限らず、途中まで、リフとリズムだけ、歌とコードだけ、などのものも含みます。

最初に理由を端的に述べる。作曲数を増やすと

  • 活動が鈍化しない
  • 良い曲が生まれる可能性が高まる
  • 経験・アレンジ技術が高まる
  • 持ち曲のバリエーションが広がる

 

なぜ作曲しまくるべきなのか

作った曲それぞれに思い入れがあることで、多くのバンドは自身らの持ち曲で微妙だと思う曲があっても、持ち曲が少ないからという理由でずっとその曲を演り続けているのではないだろうか。

「バンドは成功するかどうかわからないし、大半の人が成功することはない。」とは良く言われますが、そもそも成功以前にバンドや音楽をそこまでやり込んでいる人が少ないと僕は思っています。

毎日曲作りしているような人は少ない。
一週間に3日以上スタジオに入っているバンドは少ない。
一ヶ月に10~20本もライブやってるはバンド少ない。
一年に12曲以上作るバンドは少ない。

活動頻度や作曲数が絶対の正義ではない。しかし、それらは少なければ少ないほどより難しくなると僕は考えます。

どんなバンドでも10~20曲も作れば1曲くらいは、自他共にいいなって思える曲が生まれるもんです。作っては捨て、作っては捨てを繰り返し残ったものを磨いていくのがベストだと思うのですが、作る曲数が少ないがために曲を捨てることが出来ないでいるバンドが多いと感じます。

バンドは曲ありきであり、少なくとも「作曲数が少ない方がいい理由」はないでしょう。

 

1年に作曲数10曲以下しか完成しないバンドが多い

スタジオで曲作りを進めるバンドは、大抵一曲にスタジオ3時間×4回分は使うだろう。それ以下の場合はクオリティーが極端に低いと思う。週2回スタジオ入っているなら一ヶ月で8回のうち半分にあたる。週一回なら既に一ヶ月終えている。当然、スタジオでは他の練習もするだろうに。

つまり、こういうやり方、頻度でやってもせいぜい1年に12曲程度が限界。オリジナルバンドを中心に活動する人たちって音楽作って演奏することがメインなんじゃないでしょうか?それが1年に12曲以下?ライブ一回分の持ち曲がひと通りあれば十分なのでしょうか?

12曲ってアルバム一枚分あるじゃん!と思うかもしれないけど、例えば12曲入りのアルバムを作るのに12曲から選ぶのと24曲から選ぶのでは、当然後者の方がより良い選曲ができる可能性が高いだろう。

また、だいたいこの頻度でやっているからバンドは1枚目のアルバムを出すのに1~2年、その時点で持ち曲20曲以上持ってるバンドとか結構少ないと思うし、ここが一種の境界線になると思う。

少なくとも僕は、バンド開始から1~2年の時点で作曲数が10曲前後しかないようなバンドは、大抵その後も活動がナアナアになるパターンが多いと考えてます。

 

作曲を中心にバンド活動するデメリット

例えば今の活動頻度を保ちながら曲作りに比重をおいた場合、考えられるデメリットもある。

1.一曲一曲のクオリティーが下がる。(練習・アレンジ不足)
2.お客さんに曲を覚えてもらえない

 

1.曲のクオリティーが下がる。(練習・アレンジ不足)

1について僕は、"数"で埋めれると思っています。

まず、主体となるメロディーやコード、リフが良いもの以外は、アレンジや練習でどうにかなる限界もある。ベースラインや音作り以前の話である。

例えばJamiroquaiのJKは、曲作りの際に必ずボーカルとキーボード(もしくはギター)だけで納得行くまで作りこんで、OKが出ない限り絶対に他パートは入れないという。そこが良いものじゃなければ、その後に何を付け足しても良いものにはならないから。

そして、アレンジ不足や練習不足は曲作りを数こなす中で、経験によってどんどん改善されていくと考えている。そもそもバンド内特有の呼吸や連携という意味以外の練習なら、スタジオのバンド練習ではなく個人でやるレベルである。バンドメンバーが集まっている限られた時間は、集まっているからこそできる練習をしよう。

 

2.お客さんに曲を覚えてもらえない

2についてだが、毎回毎回全てを新曲にする必要はない。今回の話はどちらかといえば、セットリストの中からより納得のいかないもの、反応が薄いものをより良い曲と変えていくという話だから。

ライブでは知られてない曲を演る時はどうしても反応が薄くなってしまうが、ネットやSNSが普及した今、事前に曲を聞いてもらう方法はいくらでもある。僕はこれをやるなら完全なレコーディング音源でなくても、スタジオ音源やデモ程度もありだと思っている。

最終的に、作ったそれら曲の中からより良いと思える曲を残していく、それがベストではないだろうか?初期からやり続けてる曲、評判のいい曲というのは絶対に存在するだろう。それをもっと意図的に増やしていくという話。演らなくなった曲やフレーズは分解して後に使ってもいい。

 

スタジオ外でできることはスタジオ外でやる

そもそもの話をすると、僕はスタジオでの作曲時間をなるべく減らすべきだと思っている。アマチュア・インディーズのバンドはスタジオもレコーディングも時間との戦いである。スタジオ外でできることはスタジオ外でやる。これはシンプルだけどなかなかできないこと。

たとえば、スタジオ外(誰かの家やDTM上)で大まかな流れやリズム、キメなど作曲を済ましておく。歌とコードだけのような場合でもスタジオ前に曲を視聴しておくとか。

0からセッション形式がいい、スタジオで作曲する、というこだわりなら単純にもっとスタジオの時間を増やすべきではないだろううか。

 

まとめ:あなたも作曲してみませんか?

当然、持ち曲が少なくてもめちゃくちゃかっこいいバンドもいる。だけど、そういうバンドは活動がどん詰まりすることも多いと感じます。単純にモチベーションが維持できない人が多いのも理由かもしれません。

またバンドメンバー内に作曲者が2人以上いるなら、かなり恵まれていると思います。1人だけでは、余程の才能でもない限りどうしても遅くなるので。作曲は担当楽器に関わらず誰でもする価値のあるものなので、まだしたことない初心者だという人もチャレンジしてみてはいかがでしょう。作曲ソフト(DAW)などを使うとより効率的にできるはずです。

どんどん曲を作り出していくこと、それは音楽(バンド)活動の必須項目ではないのだろうか?しかし、それをできているバンドは少ない。