痛ギター用ステッカーの作り方

痛ギター用ステッカーの作り方

前回に引き続き、購入したばかりのYAMAHA TRBX-505を痛ギターならぬ痛ベースにしたので、手順を公開します。愛器を自分好みの見た目に変えてみましょう。

前回:YAMAHA TRBX-505購入レビュー|低価格5弦ベース

今回の目的はボディに大判のフルカラーイラストで飾ること。その為に、まずはどのような手法でデコレーションしていくかを決めます。今回、痛ギターを作るのは初めてなので、どのような方法があるかを調べたのですが、作り方は主に3種類ありました

  • 1.カッティングシート(リタックシート)
  • 2.塗装(ペイント)
  • 3.ステッカー(シール)

1のカッティングシートは実質貼り付け可能な切り絵なので1色しか使えない。2は今回理想のイラストが存在する上、自分での再現は難しいので塗装は不可能。というわけで今回は、3のステッカーを使用してボディにイラストを貼り付けます。

 

画像(デザイン)決定~モックアップ制作

次にどのようなデザインにするかを決めていきます。

今回はベース選びの最中からTRBX-505の見た目が気に入ってなかったので、痛ギターにすることは決めていました。そこで絶対使おうと思ったのが、僕の好きな画家ゴットフリート・ヘルンヴァイン(Gottfried Helnwein)。

ゴットフリート・ヘルンヴァイン(Gottfried Helnwein、1948年10月8日、ウィーン生まれ)は、オーストリア系アイルランド人の画家、写真家、兼パフォーマンスアーティスト。

彼の初期の作品は主として傷ついた子供達を描いた超リアリスティックな水彩画、同時に彼は公共の場で実際に子供達を交えてそういったパフォーマンスを披露することも度々あった。ヘルンバインは概念的なアーティストであり、主として心理学的、社会学的な不安感や、歴史的問題、政治的話題を取り上げてきた。結果として彼の作品はしばしば挑発的と受けとめられ、物議をかもしてきた。

via wikipedia – ゴットフリート・ヘルンヴァイン

マリリン・マンソンと作品を作ったりもしています。そのゴットフリート・ヘルンヴァインの作品からイラストを選出。今回は血の流れる少女の絵をチョイス。それをどのようにベースへ移植するかを考えていきます。

YAMAHAはあんまり情報がオープンではないようで、ベースの設計図的なものは公開されていませんでした。なのでTRBX-505の画像を適当にお借りして、いろんなサイズ・角度で検証。ドアップで使うのがインパクト・バランス共に映えたのでそれに決定。

これが完成予想図。

photoshopでベースデザイン制作

さて、問題なのがこれをそのまま現物サイズで同じように再現できるかどうか。

実物大でモックアップ的なものを作ってしまうのが一番手っ取り早いということで、ベースの型取りをして、カッティングしてみます。この時点でベースから弦、ピックアップ、ブリッジを取り外しました。

ステッカー製作 型取り

大体のサイズ感は掴めたので、再度イラスト(モノクロ)付きで再現。セブンイレブンのネットプリントはA3までしか対応していないので、2枚分のA2サイズにしたら足りました。

YAMAHA TRBX-505 型取り

うん、OK。(イラスト付き型紙の画像撮り忘れた)

 

ステッカー自作|最安の小ロット印刷

じゃあこれをステッカーにしたいのですが、うちには綺麗に印刷できるようなプリンターはない。しかも、印刷会社を調べてみるとA2サイズはキンコーズやそこらのステッカー業者では難しそうでした。

そこで見つけたのがオリジナルステッカーを始め、POPやラベル・マグネット印刷まで可能なDIGITAL PRINT DIGITA。そもそも小ロットで受付してるステッカー業者が少ないのでここで決定。サンプルを頼んだら速達で送られてきました。

デジタ ステッカーサンプル

数種類ある素材と印刷方法の中から一番良さそうだった、透明塩ビ(耐水)+白インク有+マットラミネートというオプション付きを選択。サイズは1500平方センチ以内で2,263円+オプションの904円で合計3,167円でした。

サンプルを受け取るところまでは丁寧だしいい会社だなと思ったんですが、サイトが微妙に使いづらかったり、連絡が微妙だったりという点も多少感じました。しかし、なんだかんだ安いし次も多分使うならここだと思います。

届いたのがこちら。

デジタ印刷 完成品到着

大変だったのは解像度。解像度400dpi以上というのは結構なサイズで、最終的に画像は少し引き伸ばしすることにしました。

ステッカー到着 梱包品

営業日計算で8日納期なのですが、9月13日(土)に発注して祝日が2日あったので届いたのが24日。結構長く感じましたが、あけるとなかなかの出来にワクワク。

Ggottfried Helnwein ステッカー

縁は画像の黒とベースの黒を合わせたいと思い、少女の部分以外は白インクを使わず透過するようにしたのですが、思ったより透けませんでした。あと、耐久性をあげてベースの質感と合わせるためにマットラミネート加工にしたせいか、ステッカーに少し厚みが出てしまいましたが数年は余裕そうです。

透過率は少し低め

 

制作したステッカーのカット&ベースへの貼り方

型紙とステッカーを重ねあわせます。

テスト機を完成品で再現

試作分より少し余裕を持たせて、微調節しながら不必要部分をカット。

ステッカーの不必要な部分をカット

何より大変だったのはステッカーを貼り付けること。何気に書いてますが、粘着力も高くて一度貼ったら剥がれないので、神経使いまくって多分貼るだけで30分~1時間かけてます。それでも気泡が入ったりなかなか難しかった。

可能なら大判一枚じゃなくて複数に分けて貼れると楽だと思います。貼り方ミスるとステッカー一枚を丸々作り直すことになるので…。

というわけで完成したのがこちらの痛ベース。

痛ギター(ベース) 完成

まさに中2。というわけで『厨二ベース』と名付けました。

本当は血の部分が発光するようにできたら一番良かったのですが、蛍光色が限定されていたのと部分的に光らせるのは無理だったので諦めました。でも、そのうち指板にLEDでも仕込んで光るようにもしてみたいなー。

痛ギターと言えばけいおんや初音ミクなどの有名なものもありますが、あそこまで行くとまさに自作ギターって感じで木材から作ることになるので無理ですし、逆にピックガードだけ塗装するなら今回のものより簡単だと思います。

また今回よりも小さいものならもっと手軽にプリンターで作れるので、あなたも痛ギターにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?