必ずライブがうまくなるバンドの経験値稼ぎの方法とは
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前回:ライブハウスへ観に行かないバンドマンがライブハウスでライブをする理由
僕は以前、週1,2本でライブしてた時期もあるが、今では月1~3本程度。そして僕のようなライブ頻度が低い人たちが、格好良いバンドになるのに効率よくライブの経験値を稼ぐためには条件が7つある。
それらは基本的に個人ではなくバンド単位でやるべきことだ。
格好良いライブをするための経験を積むには、ただなんとなくでライブを繰り返しても得れるものは少ない。特に数日に1回という頻度ならまだしも、一ヶ月に1回のライブでそんなことをやってもほとんど変化はないだろう。毎週ライブ数本なんて精力的なバンドはそう多くない。つまり、一回のライブでより効率よく経験値を積みたくなるのが当然。
一回一回のライブを大切にし、経験をフルで次回に活かしていく為の条件を順に解説しよう。
1.観客動員数
客の多さでバンド側のモチベーションが変わるのは好ましくないが、変わるのは当然である。1000人の前と2人の前でライブをするのは全然違う。
当然、観客が少なければそれだけ盛り上がりにくくなり、お客さんは壁際で棒立ち状態で見てるだけの確率が高くなる。観客が居てレスポンスがあるからこそのライブであり、お客さん10人未満ではスタジオ以上の経験が得れるとは言い難い。最低でも40人程度はフロアにいることが望ましい。
お客さんはなんとしても集める、集まるイベントに出るべし。
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2.本番後に反省会
演奏後直ぐにやった方がいいと思う。時間が経てば経つほど忘れるから。今回ミスや納得いかないことがあったなら、その原因はなんなのか、それはどうやったら解消出来るのかを検討する。
また、思ったことがあるなら直ぐ吐き出さないと、自分にもメンバーとの関係としても消化不良でナーナーになりやすい。記憶が鮮明な内にやり取りすることで、次回にも活かしやすくなる。レーベル付きの人が演奏後に軽く怒られてた時は楽屋に入りづらかった…
3.ビデオ撮影・録音
反省会で言ったことや、自分視点以外での確認が出来る。自分の記憶よりも全てを鮮明に確実に記録してくれている。思い出づくりとかじゃなくて普通に勉強の為に毎回撮影・録音するべき。全員で見ながら意見交換するのが好ましい。
ライブハウスに頼んでもいいけど1回2,000~5,000円(+DVD-R)と高くなるので、撮影機材を自分たちで用意するのもあり。僕はよくカメラのスタートボタンを押し忘れるので、ステージから操作出来るリモコンが欲しい。リハと本番の音の違いを確認してもいいかも。
4.本番前に前回までのミスを予習
一夜漬けではないが、本番直前に予習することは余裕・確認にも繋がる。当然、間違いは減る。自他共に2回連続でライブ中にまったく同じ間違いがあるなら、ある意味、絶望感すら感じる。
先の反省会もだが、ライブの本番時間以外にもその前後に自分・バンドの時間を取れている人たちは結構少ない。僕も出来ているとは言えない。楽屋が埋まっていたり、物販に人が必要だったりもするけど、これらの時間は絶対にあった方がいいと言える。
5.1度のライブで1つのテーマ・目標
ライブ直前でも好きなバンドの映像を見た時でもいいが、「今回のライブでは○○をする!」と決めておき、一度のライブ毎に毎回クリアしていく。すると最終的に全部余裕で出来るようになる。ミスを無くすとか手拍子するとかステージ前に出るとかなんでもいい。また、目標は個人で1つでもバンドで1つでもいい。
方向性に迷っている時も、一度それをやってみることでYes or Noの判断が出来る。どうしたらいいか分からないからと言って毎回同じことしても、そこから変わることはない。トライ・アンド・エラーあるのみ。
出来るなら2,3個決めてしまってもいい。僕はそこまで器用じゃないので1つだけ「これは絶対やる!」という課題を毎回持ちながらやっている。
6.同じ条件でライブしている他のバンドと所属バンド比較
自分達と同じ環境・条件で最初から最後まで比較出来る機会はそうない。対バンの中でも得れるものが多いと感じるバンドはリハから本番まで張り付いて、ボリューム、バランス、音作り、動き、準備の流れなど全部比較してみるといい。コミュ症じゃないなら直接どうやってるか聞くとより良い。
音作りを比較する
僕は最近、音作りについて考えることが多い。そこで自分と対バンの音を比べる時に主に注目する点も書いておく。
- ボーカル:声の聞こえ易さ、歌詞が聞き取れるか
- ドラム:キック(バスドラム)の音質、シンバル系の音量
- ギター:どれだけ低音・高音をカットしているか
- ベース:ボリューム、抜けの良さ
- 打ち込み・キーボード・その他:ボリューム、どの帯域か
- 全体:低音はスッキリしているか、迫力はあるか、キックを基準にボーカルとベース、シンバルとギターの音量のバランスはどのくらいか、全体の音量はどのくらいか
これらを注意深く聞けば、自分のバンドと比べて何が違うか、納得出来ない部分が箱の問題か否かなどが分かる。同じ環境で感じれる違いは大きい。
また、これも「あのバンドのギターが~」みたいなやり取りが出来るようにメンバー全員で対バンを確認しておくのが望ましい。
7.PAさんに意見を聞く
自分たちだけで行き詰まったなら人の意見を聞いてみると世界は広がる。自分のバンドの意見を知りたいなら、その日会ったばかりの対バンの人やお客さんに聴いても無駄。「良かったよ」としか言われなくて当然。
その点、毎日同じ箱・同じ条件で様々なバンドを聴き比べしているPAさんからの意見はアツい。リハ後、本番後など隙あらば意見を聞いてみよう。
ただし、聞く時は「○○はどうでしたか?」「もっと○○するにはどうしたら?」などなるべく具体的に聞かないと、答えは返ってきづらい。この点に関しては東京の箱PAさんは総じて音作りにかなり食い込んできてくれるので、東京バンドはみな音作りが半端ないと感じている。
まとめ
ライブ頻度の低い人が効率よく毎回のライブを経験に活かすということで書いた内容だが、当然ながら頻度の高い人がこれをそのまま実践すれば、その分さらに良くなるはず。
余談:手軽に更新・読めるように始めた短編記事シリーズが、全然手軽でも短編でもなく、挿絵などないただの手抜き記事みたいになってきた…?(驚
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