インディーズ・アマチュアバンドの稼ぎはいくらなのか計算してみた

インディーズ・アマチュアバンドの稼ぎはいくらなのか計算してみた

実際バンドの活動費や収入ってどのくらいなのか、気になったことありませんか?

儲けることを目的にバンド活動している人は少ないでしょうが、収入がなければ生きていけない、バンドを続けていけないのが現実です。

可能ならば、バンド活動のみで活動費や生活費まで稼げるようになるのが理想と考える人は多いですが、「いくら必要なのか」当事者のバンドマン自身も意外と把握してない人が多いのではないでしょうか。

理想と現実の差とは。一ヶ月の支出・収益を計算してみましょう。

 

計算モデル設定

今回のモデルとするのは

  • ライブやツアーはそれなりにするが、メディアなどの露出は特にない
  • ワンマンができるかどうかのファン数(毎回20人程度は集客できる)
  • レーベル等契約なし

という比較的『どこにでも居るくらいのバンド』を基準に、アバウトに計算していきます。

 

5人組の場合に最低限稼がないといけない金額

まず前提として、1ヶ月間で最低限稼ぎたい金額を見てみましょう。それはズバリ、

1人20万円×5人=【100万円】

1人20万円×5人=【100万円】

各自年収240万円の低所得にして、いきなりチョモランマ級のハードルに感じます。

 

出費と収入源(おおよその相場)

では、次にバンドの主な出費と収入源を見てみましょう。こちらは収支詳細で長い前置きになりますので、結果が知りたければこちらから先へどうぞ。金額はおおよそです。

 

ライブ

バンド支出 ライブ

  • 出費:チケットノルマ or 移動費 0~1万500円
  • 収入:チケット売り上げ or 交通費 0.3~1.5万円

 

地元の場合(チケットノルマ)

チケットノルマは2万~4万円が相場ですので間の3万円とします。チケットは一枚1500円なら20人のお客さんを呼ぶとプラマイゼロです。今回はプラスマイナス0で計算しましょう。

ちなみに、ノルマ還元の場合、もしノルマ以降全額バックで40人集客で呼べたら6万円となり、ノルマ分を引いた3万円がバンドの収益になります。

 

県外遠征の場合(交通費)

県外へ遠征の場合はノルマなしになる場合が多いですが、その分移動費がかかります。適当に九州から関西くらいまでで計算。今回は宿泊費・駐車場代を除外します。

  • 【車の場合】遠征(車)レンタカー代+ガソリン代+高速代=3万÷5人=6,000円
  • 【飛行機の場合】往復15,000円

車と飛行機の平均値から一人あたり10,500円の出費とします。

また、主催の方から交通費などで3,000~1万円ほどいただける事があります。出演料を貰えるレベルなら1万~3万程度はありえるでしょう。こちらもそれぞれ間をとって(2万+0.6万)÷2=0.8万円の収入にしておきましょう。

 

CDリリース(300枚)

バンド支出 CD

  • 出費:制:費(レコーディング・ミックス・プレス) 初期投資10万円
  • 収入:売上(完売) 30万円

最近は宅レコなど自分達でできるとこまでする人も多いので、実質プレス代くらいにしてかなり安く見積もっている。

100~300枚程度でプレスすることが多いかと思う。これを主にライブの際に売っていくのだが、近年は数千枚売れただけでオリコン入りする時代。

仮にCDの販売価格は1,000円として、1回のライブで10枚売れたとしたら10回のライブで100枚売れて±0だ。300枚全て売ることで20万円のプラスになるが、ほとんどのバンドは300枚を完売するまでに1年が経過していることだろう。

 

物販(Tシャツ100着)

バンド支出 物販 T-シャツ

  • 出費:制:費(初期投資)8万円
  • 収入:15万円

バンドの主な収入源である物販は色んな種類のものがあるが、代表的なTシャツを例に計算する。

Tシャツの単価は600~1,500円程度。色違いやデザイン違いで100着作ったとしよう。800円のTシャツを1,500円で売った場合、1着売れるごとに700円の儲け。Tシャツは1回のライブで5枚売れればいい方でしょう。100着売れるまで20回ライブをして、儲けは7万円。

 

練習スタジオ代

バンド支出 スタジオレンタル

  • 出費:3.2万円

1日2~3時間のスタジオ(4,000円)を週2回入った場合

4,000×2=8,000×4(一ヶ月分)=3.2万円の出費

 

楽器・機材

バンド支出 楽器

  • 出費:1万円

これはかなり振り幅があり消耗品だけを買った月は2,000円程度で済むが、エフェクターや竿を買えば2~10万はそう少なくない頻度で飛んで行く。今回それ以上の高級機材は除く。というか弦やピック、スティックなど最低限の消耗品だけで計算する。

2,000×5=1万円の出費

 

1ヶ月間の収支結果

上記、実際一ヶ月間で行われるものではないものも、そのまま1ヶ月に凝縮して計算しましょう。最終的に今回出した数値のみを計算すると、

1ヶ月間の収支
内容 出費 収入
ノルマ 3万円
移動費 1万500円
ノルマ還元 3万円
出演料、交通費 0.8万円
制作費(レコーディング・ミックス・プレス) 10万円
CD完売 30万円
物販制作費 8万円
物販完売 15万円
スタジオレンタル 3.2万円
機材購入 1万円
出費・収入合計 262,500円 488,000円
総額 225,500円
1人当たりの月収 45,100円

【結果】一人あたりの月収 45,100円

 

結果を踏まえて再計算

一人あたり月収45,100円と言えば意外と儲けがいいのではないか?と思いがちだが安心するのはまだ早い。バンドマンなら既にこの結果に違和感があるだろうが、今回出した数字は、リアルとは異なる部分も多くかなり甘い計算である。

そこで、以下の条件を加えて、もう少しリアルにしてみよう。

  • CDと物販の販売~完売を半年に1度とする
  • ライブは月4回(地元2回、遠征2回)

上記の条件で合計し、同じように月収を出すと以下のようになります。省略して計算のみ

 

一ヶ月間での出費

(100,000+80,000)/6=30,000

(10,500+30,000)*4+10,000+32,000+30,000=

計234,000円

 

一ヶ月間での収入

(300,000+150,000)/6=75,000

(30,000+8,000)*4+75,000=

計227,000円

 

一ヶ月1一人あたりに換算

227,000-234,000=-7,000

-7,000÷5=-1,400円

【最終結果】月収-1,400円

 

まとめ

なんと、さっきとうってかわって月収がマイナスになってしまいました。悲しい。

アマチュア・インディーズ5人で月100万円の収入をコンスタントに得ようと思えば、結構困難だということが感じやすいのではないでしょうか。ある意味、起業みたいなものです。

今回はかなり好条件でアバウトな計算ですが、一つの参考にはなるのではないだろうか。自分の立場に置き換えて計算してみるのもいいだろう。

というわけで、

バンドマン用に月収の計算機を作ってみました。

今回の計算式を使って簡単に計算出来るように計算機を作ってみました。あなたの今の音楽的出費と収入はいくらなのか。ぜひ計算してみてください。

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