アナと雪の女王『Let it go』で魅せた"The Piano Guys"って何者?

The Piano Guys Let it Go アナと雪の女王

映画はもう見ましたか?

今世界中でディズニー最新映画『アナと雪の女王』が話題になっている。その最たる理由は主題歌『Let it go』にあるだろう。

原曲をイディナ・メンゼルが歌うLet it goは、11歳の少女Lexi Walkerによるカヴァー、25ヶ国語版をつなぎあわせた動画などが注目された。日本でも松たか子のカバー、May Jのカヴァーが話題になったが、最初に僕が気になったのは「日本語のバージョンだけで何種類あるんだ」という点。

そんな中、色々調べているときに出会ったのがThe Piano Guys(ザ・ピアノ・ガイズ)のこの動画だ。

Let It Go (Disney’s "Frozen") Vivaldi’s Winter – ThePianoGuys

音楽、映像などどれもかなりの技術だが、なにより僕がThe Piano Guysの動画を好きになった理由は凄く楽しそうに演奏しているからだ。とてもシャレて最高にキマっている素敵なオジサンが目でやりとりしながら笑っている。それでいて2:47にチェロのクイッと入れてくる16分音符にはもう笑みがこぼれる。

実はこのThe Piano Guysは、YouTubeで毎回レベルの高い演奏技術と映像を用いて、たまに見せるお茶目さなどで人気を集めるかなり有名なグループである。

 

The Piano Guysとは?

  • ビデオ撮影: ポール·アンダーソン
  • ピアニスト: ジョン·シュミット
  • チェリスト: スティーブン·シャープ·ネルソン
  • 音楽プロデューサー: アル·ファン·デル·ビーク

The Piano Guys - Members

この4人が主要メンバーだが、その他にも映像編集や運搬担当などが4人ほどいて、The Piano Guysは演奏の二人だけでなくチームだと言える。また以前はTel Stewartという人物も居たようだが現時点では脱退したようだ。

 

結成のきっかけはピアノ販売していたポールと偶然の出会い

田舎でピアノの販売をしていたポールの店にやってきたジョン。「練習のためにピアノを弾かせて欲しい」というジョンの申し出に応じたポールは、その演奏に驚き「MVを撮ろう」と持ちかけたのがきっかけ。以前からジョンとセッションしていたチェリストのスティーブンを誘い、その後アルが加わって今の4人が集まった、とのこと。

そうして、4年前の2010年3月16日にYouTubeに『Game Day – ThePianoGuys』を初投稿、AdeleやChristina Perri、David Guettaなどのカヴァー楽曲を次々と発表、着実に人気を増していった。

One Direction – What Makes You Beautiful一台のピアノを5人で演奏

2012年9月にはソニーと契約したことを発表。youtubeでもクラシックでは異例の累計再生回数3億8千万回を突破(※2014年4月現在)、発売された『Piano guys 2』、『A Family Christmas』などの楽曲は、それぞれビルボードのクラシックアルバムチャートでナンバー1を達成している。

 

使用楽器・機材

スティーブンとジョン、それぞれの使用機材を解説しよう。

 

Steven Sharp Nelson(チェロ)

Michael Meets Mozart – 1 Piano, 2 Guys, 100 Cello Tracks – ThePianoGuys

スティーブンの使用しているチェロについては、公式サイトに細かく載せてくれていたので詳しくはそちらで。
10本くらい色々使わけているようで驚いた。

CELLO BIOS – Steve’s Plethora of Cellos

 

またベース以外にも『Michael Meets Mozart』などの動画で見られるように、足元にDigiTech RP500(マルチエフェクター), ROLAND RC-30(ルーパー)、Roland KD-85(電子バスドラ)なども並べている。ルーパーやフランジャーを使っているのは聞いていても分かるんだけど、それ以外にどういう使い方をしているのかは分からなかった。

スティーブンは機材だけに留まらず、チェロの演奏方法まで非常に多彩だ。基本は弓でのボーイングだが、その弓で指板を叩いたり、手でボディを叩きパーカッションのように鳴らしたり、擦ったりかき鳴らしたり。ハーモニクスを鳴らすように高音を鳴らしてることもあるがあれはエフェクターなのだろうか?とにかく弓が欲しくなった。

 

少し前にチェロ二重奏の2CELLOSがちょっとした話題になったが、Steven Sharp Nelsonはその二人ともまた違うかっこよさがある。

 

Jon Schmidt(ピアノ)

All of Me (Jon Schmidt) – ThePianoGuys

ジョンの機材紹介ページもあるかと思ったがそちらはまだ準備中の模様。
動画中では毎回YAMAHAのピアノを使っているようだが、唯一『Where Are You Christmas? (ft. guest artist, Sarah Schmidt)』という実の娘とコラボしている動画ではFAZOUというメーカーのピアノを使っていた。会場の都合だろうか?

二人共、日本のブランドをよく使ってくれてるようでちょっと嬉しい。

 

ザ ピアノ ガイズのおすすめ動画

その他のThe Piano Guysのおすすめ動画を紹介しよう。

Coldplay – Paradise (Peponi) African Style (ft. guest artist, Alex Boye) – ThePianoGuys

ColdplayのParadiseをVo.Alex Boyeを迎えスワヒリ語でカヴァーした動画。Paradiseをスワヒリ語でPeponiと言うらしい。Alex Boyeは11歳の少女の動画(Youtube)でも歌っていたし、どちらのlet it goも同じロケ地っぽいのだが、製作陣など色々関係してるのだろうか?

 

Cello Wars (Star Wars Parody) Lightsaber Duel – ThePianoGuys

チェロの弓をライトセイバーに見立て、ダースベイダーやチューバッカが出てきたりとパロディをふんだんに取り入れている。同じようにミッションインポッシブルの映画風に撮った動画も必見。

 

Charlie Brown Medley – ThePianoGuys

スヌーピーのチャーリー・ブラウンメドレー。こんな最高のオーディエンスたちと演奏を楽しめたらめっちょ幸せだと思うんだ。

 

本当は全部おすすめ動画として紹介したいくらいだけど、このブログではここまでにしておこう。本編だけでなく動画の最後にメイキング映像などで笑わせてくれるのも彼らの素敵なところ。ライブ映像ではピアノ一台で複数人演奏の再現や、かなりウェットに富んだパフォーマンスも見せてくれます。

ぜひThe Piano GuysのYouTubueチャンネルで楽しんで、そして気に入ったらiTunesで買ってみてください。

 

ちなみに、最初に気になった「レット・イット・ゴー~ありのままで~は日本語だけで何個バージョンがあるのか」という疑問は、『松たか子ver』、『May J ver』、『May J EndSong ver』の3つだけでした。ラジオで聞いてる時May Jがもっと別のverがあった気がしたのは気のせいだったみたい。

追記:どうやらMay Jのカバーアレンジアルバムにハートフルバージョンというのが収録されているらしく、日本語verは全部で4種類でした。

正直、アナと雪の女王の宣伝を見ていて「歴代最高記録~とか最近ディズニーそんなんばっかりだな。ディズニーも遂にボージョレ・ヌーボー化したか」とか思ってたんですけど、これだけ愛されるのはそれだけ理由もあるってものですよ。がぜん、映画本編も気になってきました。