ライブしてもお客さんが来てくれないんだけどボーカルはダイブしていく
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友達だからライブに行く、バンドのお客さんが友達しかいない。そんな経験あるんじゃないでしょうか。
僕はアマチュアバンドのライブを、バンドが格好良いから、曲が良いからという理由で見に行くことはもうここ何年もないです。行くのは友達が出てるからとか、格好良いって話を聞いたので見てみるといったもの。僕の中で「ライブを見に行く」ことの優先順位がそこまで高くないとも言えるでしょう。
そして最近、「人が来てくれない」とボヤいている人が居たので、それについて『人を呼びたいのなら、まず”人が来たいと思う場所”を作るべき』という僕のちょっとした考えを書いてみようと思います。ちなみにこの後ボーカルはもう出ません。
人は何にお金を払うのか
ライブやライブハウスって"空間を提供する"というのが大事なんじゃないでしょうか。そこでしか味わえないもの、そこだから感じれるものが必要だと思います。
別の言葉でいうと、『来てもらえる理由』を作るです。ライブはお金がかかるのです。
僕は、コンビニで一杯500円のお酒と言われたら「高いな」と感じますが、好きなバーで飲むお酒は一杯1000円でも「また行こう」って思えます。それは、その店が凄く居心地がいいからっていう理由が大きいです。2つが同じ酒でも後者の方が美味しいって思うこともあります。(味覚音痴とも言います)
みんなで遊んでいて、自分は全く要らないものだけど、その場のみんなが『それ』をキッカケに楽しめるんだったら『それ』を買うこともあります。でもそれは、「『それ』を買うことでみんなが楽しめたという経験」を買ったと言えます。
人は価値を感じるものにはちゃんとお金を払います。僕が最近買ったのは艦これ島風のコスプレ一式です。
ライブを見に行く価値ってなに
ライブならではのことってなんでしょう?
爆音で音楽が聴ける、生演奏が聴けるなどがそうだと思います。アーティストを間近で見れる、やりとりができるなど聴覚以外でも楽しめるでしょう。更に言えば、ライブに行けば友達と会える、友達ができる、お酒が美味しい、学ぶことがある、などがあれば「ライブへ行こう」「行きたい」となるんじゃないでしょうか。
だけど、ライブハウスの現状はそんないいことだけじゃありません。
人が少ない、怖そう、チケット代・ドリンク代が高い、煙草臭い、疲れる、音が悪い、下手、という意見も数多く見かけます。実際、僕も同じような意見を持っています。
これらを改善しようって声も上がっていて、特に見かけるのはチケット(ドリンク)代について。アルコールが飲めない学生も大人と同じ1ドリンク500円は高すぎるから学割でドリンク代はなしとか、学生は入場料500円とか。
これについて僕は賛成と反対が5割ずつです。
チケット代は高いのか?
僕もドリンク代が500円って聞くと渋ることもあったし(というか今もだけど)、ジュースなんて外に出たら100円であるんだから、同じものが500円と言われればそりゃ高いと感じるわけです。僕、貧乏だしケチだし(島風は買う)。
しかし、ただ値引きするというのはそのままバンドにそれだけの価値がないと言ってるようなものです。
じゃあどうするのか。
例えば、学割はただ安くするだけじゃなくて、友達と3人以上で来たら全員-500円ずつとかするべきじゃないですかね。友達を誘う口実(きっかけ)にもなるし、バンドをたくさんの人に見てもらえるチャンスにもなる。
あと、1drink500円と明記しないとか。売上の関係でライブハウスとかバンド側には必要かも知れませんけど、お客さんからしたら入場料+ドリンク500円(必須)ってただ負担にしか見えない気がします。だったら最初からチケット代としてその金額を含めろよと。と言っても、ライブハウスはほとんどが飲食店として経営してるから風営法でドリンク販売は必須として、「ドリンク代」として記載しないのはセーフなのか誰か詳しい人教えてください。
このどちらも思いつきなんで、実践するならもう少し色々つめないといくつかの問題点があるかと思いますが、ローカルの小さい箱ならいくらでも実践できると思います。
価値を下げるのではなく創る
そもそもアマチュア、インディーズのライブごときでチケット高すぎという意見もあります。確かにYouTubeやiTunesで手軽に何でも聴けるようになり、他の楽しみ方(娯楽)も増えた中で最低でも1,500円、高ければ3,000円近くするのが高いというのは分かります。
ただ、その金額ってバンド側のノルマ(活動資金)、そしてそのノルマの元になってるのがライブハウスの経営に必要なものなので限度はあると思います。
そして、そもそも割引じゃない方法で来てもらえるようにすることが大事なんじゃないかと。『安いから来てくれる』って人より、『楽しいから来てくれる』って人の方が嬉しいし、多いのではないかと思います。ここらへんはクラブやDJの人たちの方が上手いと思います。
音以外できっかけを作るのは悪でもなんでもない
周りでよく活動しているバンドを見ると、お客さんと仲良くなってライブも見てもらえるようになっている人たちも居ます。1バンド30分に3,000円が高いというなら、出演バンドを同じく好きそうなバンドで固めて、イベント自体に価値を見てもらえるようにしている人たちもいます。
AKB48の握手券など極端な例もありますが、音楽以外で付加価値をつけること自体は悪いことじゃないと思います。PV(MV)は曲の理解をより深めてくれるし、野外フェスには音楽だけじゃない魅力があるんじゃないでしょうか。
そもそも演奏とか歌がうまいってのは大前提です。いい曲も世の中に溢れています。
そんな中、ライブハウスでいい歌歌っときゃあとは周りが持ち上げてくれるだろ、とかいうのは楽観的過ぎです。そんな実力と運がある人って多分、宝くじで3億当たるより低い確率くらいに考えてます。良い曲、いい演奏をするというのは当たり前として、「その上で何をするか」が大事で、それが今回の話でもあります。(何が”良い曲”なのかについては今回触れません。)
来ない人は来ない
「お金がないから。」「行けたら行く。」「またあったら行く。」
そういう理由で断られることもいっぱいあるでしょう。もちろん、これが理由で本当に行けない人も居ますが、建前としてこれらの理由を使う人も結構多いんじゃないでしょうか?
それって結局、見に行くだけの価値がその場にないって思われてるからだと思うんで、500円、1000円割り引いたって「また見に行きたい」って思ってもらえるだけのものを作り出さなきゃ、その場しのぎと変わらないその日だけの+1人になっちゃって終わりだと思います。
だったら居心地がいいって、また行きたいってそう思える場所にすることが大事だと思うんです。
今のライブハウスのあの雰囲気がいいんだというお客さんや、ライブ優先で食費や家賃は後回し、給料は全部つぎ込むなんて猛者も居ますが、そういう人は決して多くありません。
分かる人だけ分かればいい、買う人だけが買えばいいというのは、AKB48と本質的には変わらないのではないしょうか。いや、ちょっと言い過ぎました。例え、ぜかまし(島風)の良さを誰も分かってくれなくても僕だけがぜかまし(島風)を分かってやれるんだ!
『安くする』、『いい歌歌う』だけじゃなく、小さいライブハウスは小さいライブハウスなりの、アマチュアはアマチュアなりのそういう独自の良さを考えてみては?
今回はちょっと精神論みたいな話が多くなってしまったので、次回はもうちょっと実際に人が来るライブをしている人はどんなことをしているかの話をします。
追記:更新しました。『だからあなたは集客できない。動員数をあげる3つのステップ』
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